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ギターワンポイントレッスン

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24 初心者が一番悩む「F」コード(バレーコード)
2021.10.17

「F」コードはギターコードの中で、最も押さえ辛いコードで、初心者がこのコードを一発で押さえられたというのを、見たことも聞いたこともありません。だから思うように押さえられなくて当たり前なのです。

 

 

ギターに限らず弦楽器で弾く左手の殆どは、指の全関節すべてを丸くして押さえますが、「F」コードだけは関節を曲げずに押さえなければなりません。クラシックギターでは、バレー、またはセーハーと言い、アコギではこの方法で押さえるコードをバレーコードと言っています。

 

 

人差し指がカポタスト(音程変更のためフレットに付ける器具)のような役目を果します。バレーはフランス語、セーハはスペイン語で楽譜上ではC.5などセーハするフレットの場所を記します。

 

 

 

バレーコード(セーハー)は何故押さえられないのか?を考えましょう

 

 

1)バレーコードの基本的な考え方は、指を指板にどう密着させるかということです。指がカポタストの代わりをするのですから大変です。先ずは全バレーの場合。

 

 

2)指板は堅い木製でその上フレットの金属がはめ込まているため、凸凹の指板に指の関節が当たり、密着させるのが至って難しくなります。

 

 

3)一般的には指に力が必要と思いがちです。でも力を入れれば入れるほど、指は硬い木に負け関節が曲がります。人差し指の関節を曲げないようにするためには、余分な力を抜き手首を内側に引こうとしないことです。

 

 

4)力の問題ではないことをよく理解しましょう。人差し指をフレットに平行に当てます。大切なことは手首を引っ込めず突き出すようにして、真っ直ぐにすることです。

 

 

5)人差し指を真っ直ぐにするには、裏で支える親指の位置が大切です。普通のオープンコードを弾く時とは全く違う親指の位置になります。

 

 

6)親指の位置は半バレー(セミセーハ)と全バレーとでは少々ちがいます。一般的にバレーコード以外2フレットあたりの裏側に親指を置いています。(これはクラシックの基本形で、アコギの場合親指を指板からはみ出して握り込む形を取っていることが多い)半バレーの親指の位置はかなり第1弦寄り、全バレーは他のコードよりやや第1弦寄りになります。

 

 

7)本来クラシックギターのグリップは親指をネックからはみ出さないので、比較的早く習得しやすいのですが、アコギなど握り込むグリプで練習している場合は、瞬時に大きな動きが必要になり習得に時間がかかるかもしれません。ですからグリップは常々クラシックグリップにすることを推奨しています。

 

 

8)肘を身体の側に近づけないように、むしろ肘を張るようにします。そうすることで人差し指はフレットに対してまっすぐに当てることが出来ます。

 

 

9)力で勝負しようとすると、柔らかい指は負けてしまいます。親指と人差し指でねじるような感覚で押さえると密着度が上がります。

 

 

10)殆どの人は「Fコード」と思った瞬間、人差し指がバレーコードの準備をしてしまいます。これが問題なのです。人差し指を真っ直ぐにし、その後中指を置き最後に薬指、小指と置くと思っていませんか?これでは一番動きの悪い指を後回し(注意を払っていない)ことになります。

 

 

11)指の中で人差し指は最も敏捷な動きをします。椅子取りで例えると常に一番なのです。最も遅れる人が小指と考えてください。先ずは小指、つづいて薬指に(出来れば同時に)神経を注ぐ(脳から指令を出す)と人差し指は無意識でバレーの形になります。これは一番最初にお伝えすべき最も重要な問題かもしれません。

 

12)半バレー(セミセーハ)はアコギでは殆ど使うことはありませんが、クラシックギターではよく使います。全バレーよりバレーする弦の数が少ない(高音源から4弦まで)ので抑えやすく、親指の位置はかなり1弦側(浅いグリップ)になります。

 

 

基本的にギターの左指は各関節をしっかり曲げて押さえなければ良い音は得られません。しかし「F」コードだけが、人差し指すべての関節を曲げずにベッタリフレットに押さえつけなければならないので戸惑います。同時に人差し指以外の指はすべての関節を曲げ指と弦のあいだに空間のあるアーチ状にします。

 

練習方法としては「F」の形態で1フレットから10フレットまで、押さえながら右手はアルペジオやストロークなどで、拍を感じながら進行する練習がお勧めです。初めは左手が痛くて疲れ、5フレットぐらいまでしか続けられません。休みながら何度もチャレンジしていくと、いずれ平気になります。

 

この練習は年配者にはかなりハードです。指を痛めやすく本末転倒になりかねません。山登りのように焦らず一歩づつ前進してください。

 

 

 

 

ハイポジションの「C」コード。1ポジションなら「F」コードになります。このパターンで10ポジションまで進める練習をするとバレーコードへの悩みは解消します。

 

 

 

 

 


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